【 8 月 】
新聞投稿
沖縄タイムス 2004年 8月1日 朝刊犯罪のないまちづくりへ 交流募集
今年の4月から施行された「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」の影響で防犯や深夜徘廻防止等の運動が全県的に活発になっています。
この地域活動が一過性のものでなく今後も継続していくことを心より願っています。
私達もその勢いを絶やすことなく「まちづくり振興会」と称した民間団体を結成し、防犯の啓発や青少年問題等に取り組んでいます。
地域の方々が地域の問題として理解し、より多くの方々が活動に参加する事が肝要です。参加者が多ければ多いほど個々に掛る負担は少なく、活動の継続にもつながります。
できれば気心の知れた者同士でグループを作り、活動を楽しくすることが望ましいと思います。又私達のようなボランティア団体は沢山あるようですが、その連絡先や交流がない為、アイデアや情報の開示ができず、合理性を欠いている事が多々あると思います。
NHKに「地域の底力」という番組がありますが、地域のアイデアや活動の中から生まれたノウハウはその分野の関係者に大変参考になっています。又NHKニュースの特番で千葉県柏市の市民がジョギングやウォーキングでエンジョイするかたわら、ボランティア活動をするという「エンジョイパトロール制度」のことを放映していました。
それは防犯パトロールと印刷された帽子を柏市の予算で作り、ジョギングやウォーキングをする市民を対象に登録制で貸与し、健康維持と防犯パトロールを兼ねるというユニークな活動です。防犯パトロールの活動は気が重くても、ジョギングやウォーキングと思えば健康維持の延長なので誰でも参加しやすく登録者は毎月増え続けているのです。
これは市民活動の中から生まれたアイデアを紹介した一例ですが、そのような素晴らしいアイデアは地域活動の一環として取り入れるべきだと思い、早速私達まちづくり振興会は去った5月に宜野湾市議会と市長宛てに「ちゅらまちパトロール制度」として陳情書を提出しました。
その結果、市民生活課で陳情書の主旨を理解して頂き、7月から安全パトロールと印刷された帽子を全23自治会から市民に配布しました。
この帽子は犯罪等の抑止力にもなるし、活用方法はその地域の特性に合ったものにしたら良いと思います。何より行政が民間団体の声を取り挙げ、多忙の中を早々と実行して頂いたことに市民生活課の担当者・米須さんと長山さんには心より感謝申し上げます。地域の提言を行政が一緒になって考えることは意義深いことであり、活動の励みになるものです。
今このような活動を通して生まれたアイデアやノウハウ等の情報交換を含めて私達と交流をして頂く団体や組織又は個人を募集し、協力し合う組織のネットワークを計りたいと考えています。我が郷土に犯罪や事件等がない安全で安心して暮らせる地域活動の輪を広げましょう。まちづくりは地域の一人ひとりが当事者です。
まちづくり振興会のホームページ
http://www11.plala.or.jp/mati29ri/
新聞投稿
http://www.ryukyushimpo.co.jp/dokusha/koe28/ke040817.html#koe01
琉球新報 2004年8月17日 朝刊
求められる親の目配り 出会い系サイトに注意を
パソコンや携帯電話などのIT通信は、急速に進化し続け、正しく使えば、素晴らしい情報アイテムとなりますが、その半面、新たな犯罪のターゲットとしての危険性もあるのです。
パソコンや携帯電話からアクセスする出会い系サイトがそのひとつですが、顔が見えないために、気軽にアクセスし、しだいにその罠(わな)にはまっていくのです。「これはこれから始まる新しい犯罪と考えてはいけません。沖縄でも既に潜在化し、それは身近に存在しているのです」と声を大にして警告しているのは、県警本部生活安全課少年係の池原泰子警部補です。彼女は三十年余りの勤務の中で、約二十年間を少年犯罪一筋に活躍してきた、その道のエキスパートです。
宜野湾市の真栄原公民館で七月十三日、私たちまちづくり振興会が主催し、地域の父母や学校関係者に呼び掛け、勉強会を行いました。警視庁の制作したビデオを約三十分上映した後、実際にあった沖縄県内の犯罪事例などを池原警部補に講演していただいたのですが、その衝撃に参加者たちは唖然(あぜん)としてしまいました。
このビデオに登場する女子高生A子は、誕生日の記念にと親から念願の携帯電話をプレゼントされました。既に出会い系サイトに手慣れた同級生B子に触発されたA子は、いよいよサイトで知り合った男性Cに出会います。一見好男子の優しそうなCに安心し油断したその時でした。Cは突然豹変(ひょうへん)したのです。
体を奪われた後で、お金を渡されたA子は、しだいに自分は汚れた人なのだと思い悩み、どんどん自己嫌悪に陥るのです。そんな矢先、A子にサイト上の高額請求が来たのです。不審に思うA子だが、罪悪感から誰にも相談できず、悩んだ末に選んだ道は援助交際でした。
実話を基にしたこのビデオのようなことは、既に県内でも発生しているという。このような勉強会を県内地域で行うことは、今回が初めてということからも、この種犯罪に対する世間の認識が浅いと言えるでしょう。
この種の犯罪はIT技術の進歩に伴い、巧妙になっていくことは容易に想像がつき、警察でも早急な対応策を模索中のようです。
出会い系サイトは常に危険と表裏一体ですが、顔が見えないことから遊び半分でアクセスしてしまうのです。青少年は一度、その犯罪に巻き込まれると、罪悪感にさいなまれて、それを隠そうとますます泥沼にはまってしまいます。身近にいる親は子供の異変に気付くことが大切ですが、その前に、潜在化してしまうこの犯罪の特異性を認識し、青少年に喚起することが重要なのです。
IT機器は今日の情報化時代に後れを取らないための必需品であり、子供たちが所持するためには親の理解と認識が必要です。将来を担う青少年は大人が守り育(はぐく)まなければならないのですが、このような犯罪を誘発するのもまた大人たちなのです。夏休みの気が緩む今こそ、大人も青少年も認識を深める時です。
出会い系サイトに関する相談は、県警ヤングテレホンコーナー0120―276556まで。
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